徒然楽健法 ~二人ヨーガ楽健法研究~  

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楽健寺天然酵母パン

楽健寺天然酵母パンは、楽健法の創始者である、山内宥厳先生とその奥様幸子先生のお二人で40年変わらず作り続けられている独自の天然酵母パンです。

 

楽健法は、足を使って行う、足圧健康法ですが、健康には食も必ず必要ということで、並行して、この楽健寺天然酵母パンが焼かれ続けています。

 

今でこそ、天然酵母パンというものは一般にも知られていますが、40年前、まだ、天然酵母という名前すら聞きなれない中、試行錯誤の末、できたのがこの楽健寺天然酵母パンです。

 

普通のパン、ドライイーストのパンは、一次発酵、二次発酵ともに、30~40分ぐらいなのですが、この楽健時天然酵母パンは、一次発酵、二次発酵ともに2時間とじっくりと完熟させるまで発酵させます。

それ以前に、酵母自体を8~10時間かけて発酵させてつくるので、パンが出来上がるまでに有する時間は成型なども含めると15時間もかかってしまします。それだけ手間暇かけてつくるパンは、普通のパンとは比べ物にならないぐらい、芳醇な香りがし、深い味わいがあります。

 

 

ドライイーストなどケミカルにつくられたイーストは、パンを膨らませるために適するよう改良されたもので、実際には、膨らむだけのガスを短時間で出すことによってパンを膨らませてパンを作ります。発酵と言えども、実際に発酵して分解されている材料は、ほんの一部と言えます。

 

それと比べ、楽健寺天然酵母パンの酵母は、2時間かけて1次発酵、2時間かけて2次発酵を行います。この、長い時間をかけて発酵させることで、パンの材料となる小麦粉、砂糖、バターなど材料を、酵母がすべて発酵分解してしまいます。これが、完熟の状態です。材料が、微生物によって、分解されているんですね。

 

完熟している、楽健寺天然酵母パンのすごいところ、

私が驚いたところは次にあげることです。

 

①1週間~1、2か月でも、とにかく日保ちする。

②蒸かして、もちもちが復活する。

③アレルギーの人でも食べられる

天然酵母パンなのに、硬くなくてふわふわもちもち。

⑤お通じが、すこぶる良くなる。

 

 

①に関しては、

何よりも、完熟して、すべて発酵分解されているということで、信じられないぐらい長持ちします。もちろん、夏場などは少し早いですが、野菜室や涼しいところで保管すると、表面に少しカビがくることもありますが、それを取り除けばなんら問題なく、1か月経っても普通に食べることが出来ます。それは、普通はカビが餌とする材料分をすべて酵母の発酵で使いきってしまっているので、カビが餌にする分が残っていなくて、発生できないからなんだそうです。

 

日保ちしても美味しく食べられる秘訣の一つに、②の蒸かして食べるという食べ方があります。

パンというと、焼くのが一般的だと思いますが、楽健寺天然酵母パンは、蒸かして食べると美味しさが一層増します。さらに、水分をもう一度受けとって、ふわふわもちもちが復活し、最高のパンと化します。蒸しても、他のパンはべちゃべちゃになってしまうと思うのですが、蒸かしても大丈夫なところも、このパンのすごいところです。

 

完熟の効果は、日保ちだけにとどまらず、小麦などがすべて分解されて別の物質と化していることにより、③の、アレルギーの人にも関係なく食べられるということにつながります。酵母によって、アレルギー物質を変化させることができ、この酵母はケーキにも応用でき、様々な食べものを天然酵母で美味しく食べられるものへと変化させることができます。

 

④のふわふわもちもち。これに関しては、私の好みの問題も深くかかわっていますが、今まで知っている天然酵母パンというのは、硬くてハードなパンばかり。もちろん、味わいはあるのですが、硬いパンが苦手な私には、どうしても馴染めないものでした。そういう点では、この楽健寺天然酵母パンのふわもちの食感は、何にも例えられないものです。今まで、パン好きという友人たちにも食べてもらいましたが、「これ、パンなの?不思議な食感。パンじゃないみたい。」と、皆、口々に言います。

蒸かしたら、良く伸びるので、サンドイッチにするとすこぶる良く具が入り、サンドイッチにするなら、このパンは最高に美味しいです。驚くべき美味しさなのです。

 

そして、最後には、⑤のお通じです。

発酵食品、菌は焼いていて死んでいるはずではありますが、このパンを食べると、腸にいい影響を与え、快便になります。その威力は、すごいものがあり、母に食べさせていたら、その効果に驚き、報告をしてきたほどです。

 

 

 

他にも多々、ありますが、これらを踏まえて言うならば、この楽健寺天然酵母パンは、

「本物のパン」と言えます。

本物、偽物という言葉が正しいかはわかりませんが、どんなに手作りしても、市販のドライイーストで作ったパンとは明らかに違います。

 

ケミカルにつくられたイースト、より作りやすく、便利に、といって開発されていったドライイーストは、一見時代の最先端のように、一番いいもののように考えられがちです。

しかし、中身を詳しく見てみると、作る手間や時間は短くなれど、それ以外では、どの点においても、天然酵母に勝るところはありません。しかし、時代が流れると、主流は変化し、ドライイーストが一般的なパンイーストとなってしまい、それ以外のことについては知らないとい状態になります。

 

これは、パンに限らずすべての物、事にも置き換えられます。文明が進むにつれて、便利になる世の中ですが、便利になればなるほど、本質が失われていき、本物が何かわからなくなってきています。そうやって、本当にいいものが、どんどん失われていっています。

 

楽健寺天然酵母パンを焼いている、山内宥厳先生は、40年以上も作り続けている理由をこう述べています。

「楽健寺の天然酵母パンも楽健法も人類がより進化するための文化として伝え、残していきたいというのが、私が楽健寺の天然酵母パンを一個の文明批評として継続している理由です」

また、こうも記しています、

天然酵母パンの研究は市場に流通しているパンと、自分が手がけているパンとの比較研究でもあった。食品微生物学の本などを熟読しながら、ケミカルにつくられたイーストと、自分がつくっている天然酵母パンの酵母菌を、顕微鏡で観察しながら見えてきたことは、自然に依存していた昔の農業が、生態系を断ち切られた化学農法へ変わり、漢方医学が見捨てられて現代医学にとってかわったのとまったく同質の変化があらゆるジャンルにまたがった問題だということに気付きはじめていたからである。時代の進歩とは、先祖から受け継ぎ、長年積み上げてきた民族の英知やエートスを熟慮なく捨てて省みないことだった。」

(『楽健寺天然酵母でパンを焼く』の本のあとがきの一部)

 

 

このパンを作り続けることで、文明批評をしている。だから、このパンを作り続ける。そう言って、御年81歳となる今もこのパンを作り続けています。

 

 

私は、この考えに感銘を受けました。

この楽健寺天然酵母パンを作ることは、「文明批評を表明すること、本物、本当のことはどこにあるのかということを問う生き方であるということ、文化をつくること」だと考え、私も、このパンを作ることを決めました。

 

 

作り、伝える、これを考えたときに一番良いのがパン屋をはじめることだと思いました。

パン屋ということになると、材料費も、時間も数倍かかり、全く採算が合わないとのことです。

しかも、パン嫌いだったのに、パン屋をはじめようと突然言い出したものですから、皆不思議がります。

しかし、考えやスタンスを表現することに、物質的な媒体ではなく、生き方で示すことができるというこが最近の私にわかってきたことです。

まずは、こうと、自分の思った生き方をする。できるできないは、そのあとです。

 

ということで、パン屋をはじめようと思います。